危険性が高い海外からの大量スパムリンクの対処法

2021年11月19日

大量のスパムリンクが浴びせられても、Googleは適切に判断します

Google Search consoleにログインして「外部リンクをエクスポート」→「最新のリンク」でCSVファイルを選択してダウンロードして外部リンクの一覧のレポートを取得して調べると、これまで見たことの無いような大量のドメインから、大量の被リンクがWEBサイトへ向けて何者かによって浴びせかけられる事例がありました。リンク元を見に行くと、ほとんどのサイトが404なのですが、中には生きているリンクも存在しますが、自動で生成されたような、かなり品質の低いページのように見えました。特定のドメインに集中している訳でもなく、複数の、それも多数のドメインからの被リンクでした。ほとんどのページは英語で記載されていて、リンクの必然性は全く感じられません。どんな者が仕掛けて来たのかも分からず不気味なリンクで決して良いリンクではありませんでした。そのような被リンクは短期間に増えていて、全く意味の分からないリンクでしたが、全てのリンクをまともに評価されるとガイドライン違反で、ペナルティになる可能性が高いことは明らかでした。

最新のリンクで見つかったリンク元のサイトは内容などは全く関係のないサイトで、リンクされる理由など見つからない被リンクで、アンカーテキストにキーワードも含まれておらず、競合が仕掛けて来たネガティブSEO目的のリンク手法のように思えました。当然、リンクを設置した人と連絡を取ることも出来ず、削除依頼も出来ません。ネガティブSEOでGoogleが不自然なリンクと判断してしまうとwebマーケティング上は大きな影響があり、検索流入の獲得が大幅に減る可能性がありました。

短期間に大量に浴びせられるスパムリンクは常に外部リンクを管理していても発見された時にはすでに手遅れになるので、とても危険です。

最初は一件一件URLを確認して否認を行っていましたが、あまりにも多くのドメインに渡り、1ドメインあたりのリンク数も多いので、自分で行うリンク否認ツールの活用も簡単ではなく、このような場合の有効な対処法である、Googleが提供するリンクの否認は諦めて、ペナルティになるのか試してみることにしました。ペナルティになれば検索順位が大きく下がり、トラフィックも大きく減少するはずですし、ペナルティ解除までにはかなりの時間を要するはずです。

低品質なリンクとしてペナルティを受ける可能性があり、SEO上大きなダメージを受けるのではないか心配しましたが、初めてリンクを発見してから5ヶ月が経過しましたが、結果的には順位に悪影響はありません。最新のリンクに記載されていた海外からの大量のリンクで実際にサイトの評価が落ちることは無く、結果としてはリンクは無効化されたのでは無いかと思います

Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏が、不自然リンクとスパムリンクは異なると解説している記事があります。

この情報からすると、自らの意志でランキングを操作する目的でサイトへ向けて設置したリンクでなければ、Googleは無効化する。ようにアルゴリズムが調整されていると言うことです。サイトオーナーがランキングを操作する目的で設置する不自然リンクと、悪意を持って設置されるスパムリンクは違うとGoogleでは判別できると言うことなのでしょう。おそらくペンギンアップデートで、大量に浴びせかけられるスパムリンクを対象に、無効化するように機能が設定されたのだと思います。ランキングを操作する目的で設置されたリンクは不自然なリンクとして、ペナルティの対象になるけれど、自分が知らない所で大量に設置されたスパムリンクは無効化されると言う点が、Googleのリンクに対する運用でこれまでと大きく違いがあるところです。

初心者で無くても、大量にスパムリンクを設置されれば慌てると思いますが、リンクによってはGoogleが適切に対応してくれるので、落ち着いて対応しましょう。慌ててリンク否認しなくても、無視していて大丈夫な場合も多くあると思います。

2016年9月のペンギンアップデート4.0で不自然リンクとスパムリンクの対応がそれより前とは違うようになり、スパムリンクは無効化されるようになったのです。ペンギンアップデートで質の低いリンク集や自作自演リンクなどの不正への取り締まりはより厳しくなったのです。

今回の、海外からの悪質なスパムリンクは無効化されているようです。これはとても有難いことで、このようなリンクの否認に労力を使っていると本来の仕事が出来なくなってしまうので、この方向へはどんどん進化して欲しいものです。ただし、必ずしもスパムリンクが全て無効化されるとはいえないので、常にチェックすることが重要で、注意が必要ですが、スパムリンクでペナルティを受ける可能性は低いです。

スパムリンク

ミスで設置されたリンクも無効化された

もう一つは、私のミスで一時期設置されてしまったリンクです。サイトがモバイル対応していなかったため、別のサーバーで、トップレベルドメインのみ違うサイトを制作し、検索エンジンがサイトをインデックスしないようにするにチェックを入れて、モバイルページの設定をしていました。

ところが何かのミスで、検索エンジンがサイトをインデックスしないようにするのチェックが外れていたらしく、10日間だけ、Googleがインデックスしてしまいました。

内部リンクも移したトップレベルドメインの内部リンクにしてありましたが、元のドメインのSearch consoleの「外部リンクをエクスポート」→「最新のリンク」に1959件のリンクが表示されていました。すぐに、検索エンジンがサイトをインデックスしないようにするのチェックを入れ直し、インデックスしないようにしましたが、最終的にリンクは30000件程度まで増加してしまいました。

当然、ガイドラインで禁止されている、ランキングを操作する意図などありませんし、そもそも、元のサイトへのリンクは設置していませんが、どうやらGoogleはコピーコンテンツの内部リンクも元のドメインへのリンクと処理するようです。

現在は、サーバーから完全にデータを削除して、404が表示されるようになっています。

このリンクが原因でペナルティになるのではないかとかなり、心配しましたが、結果的には最初にリンクが検出された日から3ヶ月以上経過しましたが、順位の低下やアクセスの減少の兆候も無く、上位に表示されていたキーワードは安定しています。

ミスで一時的に設置してしまったリンクやスパムリンクは無効化するまで、Googleは進歩したことを改めて実感しました

不自然な外部リンクによるペナルティはかなり大きな打撃になり、解除までにかなり長い期間を要するので、影響は甚大です。外部リンクの判定の精度はさらに高くなってくれることを望みます。

問題はネガティブSEOのリンク

明らかに不自然なスパムリンクは無効化されますが、サイトにダメージを与える可能性が高いリンクが競合他社が相手のサイトの検索順位を下げることを目的に設置されるリンクです。

これらのリンクは自分で契約するブラックハットSEO業者が設置するリンクと同じで、契約者が自分か、競合他社かの違いだけで、Googleがどのように認識するかは分かりません。

このリンクは誰が契約して設置したリンクがGoogleも判断できないので、ペナルティを受ける可能性があり、とてもリスクが高いものです。

このネガティブSEOで競合他社のランキングを操作できると、真面目にサイト運営している企業が被害を被るので、最近Googleは、不自然リンクをペナルティでは無く、基本的に無効化する方向へ動いているのかも知れません。

トップレベルドメイン

自然なリンクであってもテンプレートからのリンクはペナルティに

Googleのリンクプログラムで一番疑問に思うのは、さまざまなサイトのフッターやテンプレートに埋め込まれて広く配布されるリンク。がペナルティになることです

これは、そのホームページの社長やWEB担当者が無料ブログなどを運営していて、そのサイドバーなどから、会社のホームページへリンクを作成してしまうことです。このようなリンクを設置する人は、何も悪意は無く、ランキングを操作しようとも思っていません。ブログなどを訪れた人に自社サイトを紹介する効果を期待しているだけです。しかし、現実にはペナルティを受けてしまっているサイトがとても多いです。

また、動画を掲載する求人サイトで、動画の元がこの求人サイトにあるため、掲載企業からリンクを設置してもらえるメリットがあるのですが、企業側の管理者はテンプレートからのリンクがペナルティになるとは知らず、サイドバーやメインメニュー、フッターなどから、リンクが次々に張られて、リンクを否認しても否認しても追いつかないような状況になっています。

善意で設置された自然なリンクなのに、設置した人に、「リンクを削除して下さいとも言えず」、リンク否認をするのは、リンクを設置してくれた人を裏切るような、何とも言えないイヤな気分になるものです。

テンプレートからのリンクには、必然性が無いので、ユーザー本位で設置されたリンクでは無いとの判断なのかも知れませんが、スパムリンクを無効化できるのなら、善意で設置されたテンプレートからのリンクも無効化していただきたいです

スパムリンクをGoogleに報告する

大量のスパムリンクを見つけて、対応が不可能な場合は、以下のリンク先で紹介するGoogleにスパム報告する方法があります。使い方は簡単で、ページに記載されている項目に従ってURLやキーワードと詳細を記載して送信するだけです。ただし、このサービスを利用するには、Search consoleに登録している必要があります。通常は、大量のスパムリンクを浴びせられ、ペナルティを受ける可能性の心配があっても、Googleが適切に対処してくれますが、心配な場合は、サーチコンソールのスパムリンク報告からリンク元のリストの詳細を報告すれば大丈夫です。スパムリンクに対する対処法としては、とても簡単な方法なので、スパムリンクを浴びせられた時にはおすすめです。大量のスパムリンクには有効な対処法だと思います。スパム報告から対処を依頼してもGoogleからの回答はありませんが、適切に対処してくれれば、問題は解決します。しばらく経過しても対処されない場合はGoogleがスパム行為に該当しないと判断したと言うことです。

まとめ

海外から大量に浴びせかけられるスパムリンクはGoogleが判別して自動的に無効化されるので、スパムリンクによってペナルティを受ける可能性は低いと言えます。しかし、ネガティブSEOで設置されるリンクは判別が難しく、リンクを設置されてしまうと、ペナルティを受ける可能性が高くサイトのパフォーマンスを低下させる恐れがありますので、定期的に外部リンクをチェックする必要はあります。

ただ、SEOの知識があまり無い人には、外部リンクを定期的にチェックすると言うのもあまり出来ないかも知れませんが、不自然な外部リンクはホームページのアクセスに大打撃を与えるので、是非チェックして欲しいです。

ネガティブSEOを仕掛けられたり、スパムリンクを発見したら、Googleにスパムリンクを報告することをおすすめします。

The following two tabs change content below.

清水 康次

過去にインターネット受注で100%稼動する縫製工場を経営しており、平成17年度に経済産業省「IT経営百選」で優秀賞を受賞、翌18年には、最優秀賞を受賞するまでになりましたが、その後縫製工場の経営を止め、飲食店のインターネット担当として勤務いたしました。平成28年11月より独立してSEO対策とWEBコンサルタントとして多くのサイトの検索流入やコンバージョンの改善実績があります。

Posted by 清水 康次