Googleがスパムリンクをペナルティでは無く無効化に転じた背景

2024年7月4日

ランキングを操作する目的で設置されるリンクにはペナルティが課されていた

Googleはそのページへ向けて貼られたリンクをそのサイトへの人気投票のように評価して、ランキングのプラス要因として評価して来ました。しかし、このランキングへの加点評価を悪用して、大量に低品質なリンクを設置するブラックハットSEOが隆盛を極めていた時代がありました。

この当時は、ガイドラインに違反するような低品質なリンクでも大量に設置するとランキングが大きく向上して、アクセス数が大幅に上昇するサイトが多くありました。

このようなスパム行為に対してGoogleも黙ってはおらず、ペンギンアップデートによってそのようなスパム行為はペナルティを受けて、大幅にランキングが低下したり、ひどい場合はデータベースから削除されるようになりました。

 

ペナルティを恐れてブラックハットSEOの利用者は減り業者も減少しました

リンクスパムによるペナルティはとても強力で、一度ペナルティを受けてしまうと、リンクを削除したり否認したりしても、Googlebotがそのリンクをクロールしてリンクが無くなったり否認したことを確認しないと、ランキングは元に戻りません。また、一つのドメインから大量にリンクがある場合は、1本1本がクロールされるてもなかなかランキングが改善することは無く、相当な数がクロールされて無効化されないとペナルティは解除されませんでした。

さらにGooglebotのリンクのクロールはとても遅く一度ペナルティを受けてしまうと回復には非常に長い時間を要してしまい、その間の損出は計り知れないものになってしまいます。

また、被リンクによるペナルティは解除されないこともかなりあり、ペナルティが解除されない場合は、別のドメインでサイトを1から作り直さないといけないので、それまで長年かけて作成したコンテンツは捨ててしまわないといけなくなります。

このような甚大な悪影響があることから、ブラックハットSEOはかなり衰退し、大っぴらに外部リンクの設置をアピールする業者はかなり減少しました。

スパムリンクを無効化する背景はネガティブSEO

このような不自然な外部リンクを設置したサイトがペナルティを受けることを悪用して、競合サイトの順位を落とすために、競合サイトに大量の不自然なリンクを設置してペナルティを発動させ、競合サイトを蹴落とすネガティブSEOが行われるようになりました。

Googleが不自然な被リンクによってペナルティを発動することを悪用して、結果的にランキングを操作出来てしまうことが大きな問題になった訳です。どれだけ真面目にサイト運営をしていてもネガティブSEOを仕掛けられると有無を言わさずランキングが落ちるとネガティブSEOを仕掛けた側の思う壺になってしまって、Googleが考えるユーザーの検索意図に合ったページを検索結果の上位に表示することが出来なくなってしまい、利用者に対してGoogleが考えているような良質な情報を掲載しているホームページを検索結果として返せなくなります。

このようにネガティブSEOが成功することで、何も悪いことをしていない善良なサイトの順位が落ちるようなことは何としても避けたいとGoogleも考えたのでしょう。また、ブラックハットSEO業者が息を吹き返してしまう事態が発生し、健全な業者が狙い撃ちされるような事態を避けるために、スパムリンクをペナルティでは無く、無効化するような対処を選択する方向へと舵を切ったのだと思います。

スパムリンクを無効化するような運用にすることで、リンク元を操作することによってランキングを操作することが出来なくなるようになるのです。

リンクプログラムを知らない広告主も多いこと

大手の広告会社はリンクらnofollowやsponsoredの記載をしますが、小さい広告主は、Googleのリンクプログラムを理解していない業者も多く、nofollowやsponsoredの記載をしていない広告が多く、ランキングを操作する目的は無く、リンクからのアクセスを期待したリンクが元でペナルティを受けてしまうと言う理不尽なことも起こってしまっています。

明らかに広告と分かるリンクにnofollowやsponsoredの記載が無いからと言って、手動対策が行われるようなことはありませんが、自動ペナルティを受けることはありました。

Googleのスパム対策はランキングを操作しようとする目的でリンクを設置する者に対して行われるべきで、単に無知だったためにペナルティを受けるのは本意では無いはずです。

サイドバーやフッターから外部サイトへリンクすることがあること

リンクプログラムでは、「さまざまなサイトのフッターやテンプレートに埋め込まれて広く配布されるリンク。」がリンクプログラムとして記載されています。このようなリンクが必ずしもランキングに悪影響が出るとは限りませんが、悪影響が出ることがあるのは間違いありません。

このようなリンクもリンクプログラムを知らない一般の人は何の疑いも無く設置することがあり、このようなリンクの設置がランキングに悪影響を与える可能性があるのもSEOに詳しくない人にとっては不本意な評価だと思います。

このようなユーザーに良質なコンテンツを届けることを真面目に行っていても、リンクの設置を間違っただけで不正と判断されてランキングに悪影響が出るようなことはあってはならないことだと思います。

このような広告やテンプレートからのリンクなど、悪意が無くリンクプログラムを知らない人たちが設置してしまうリンク全般に対してペナルティを課さないことも考えたものと思います。

無駄

スパムリンクを無効化することでリンクでランキングの操作が出来なくなる

スパムリンクを無効化することで、大量に低品質なリンクを設置しても、順位が上昇することも下落することも無くなり、ブラックハットSEOは効力を発揮しなくなり、ブラックハットSEO業者自体を駆逐出来ると考えているのでしょう。

Googleのスパムリンクの検出精度が向上して、確実にスパムリンクを無効化できるようになって欲しいと考えます。

まだ、スパムリンクの効果がある場合もあります

Googleはスパムリンクを無効化すると発表していますが、無効化のアルゴリズムへの移行が完了した訳では無く、Search consoleで外部リンクを調べて見ると、実際にはまだ、人工的な有料リンクによってランキングが上昇したり、質の低いサイトからのリンクによってランキングに悪影響が出る事例も確認しています。

Googleが認識している外部リンクのデータを確認する方法は、Google Search consoleの「リンク」→「外部リンクをエクスポート」→「最新のリンク」→「CSVをダウンロード」でリンクの一覧を確認することが出来ます。

スパムリンクなのかどうなのかは人間が見ても判断が難しいものもありますので、Googleが完全に判定できるようになるにはまだまだ時間が必要だと思いますが、完全に無効化出来るようになることを期待しています。今後のGoogleの対応を期待しましょう。

スパムリンクが無効化されても自然発生リンクは重要なランキング要素

スパムリンクは無効化されて、人工的なリンクの効果は無くなりますが、良質な自然発生リンクはこれからも重要なランキング要素です。獲得出来る被リンクは極力設置してもらうように努力しましょう。そして、良質な被リンク獲得には良質なコンテンツの掲載は必須と言えます。

Googleのアルゴリズムがどのように変化しようとも、Googleの基本はユーザーの検索意図に合った良質なコンテンツを検索結果として返すことなので、良質なコンテンツを作成して掲載することは継続して続けて行くようにしましょう。

スパムリンクが無効化されるからスパムリンクは貼り放題は間違い

スパムリンクがペナルティを受ける事無く無効化されるからと言って、スパムリンクはどけだけ貼ってもペナルティの心配が無いと考えるのは間違いです。スパムリンクを無効化するのはアルゴリズムでの自動対策で、あまりにも酷いスパムリンクに対しては手動対策がありますので、無節操にスパムリンクを貼ると手動ペナルティの可能性が高いので、注意が必要です。

スパムリンクによって運よく順位が上がることを期待して、リンクを設置することは、Googleのアルゴリズムの網をすり抜けてランキングが上昇する可能性が全く無い訳ではありませんので、リンクを設置して見ることも選択肢としては残されていますが、行う施策に対して得られる効果はあまり期待出来ないと思います。

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清水 康次

過去にインターネット受注で100%稼動する縫製工場を経営しており、平成17年度に経済産業省「IT経営百選」で優秀賞を受賞、翌18年には、最優秀賞を受賞するまでになりましたが、その後うつ病と自己破産により縫製工場の経営を止め、飲食店のインターネット担当として勤務いたしました。平成28年11月より独立してSEO対策とWEBコンサルタントとして多くのサイトの検索流入やコンバージョンの改善実績があります。 自己破産を経験していることから、売上げや利益が伸びない経営者の気持ちは痛い程分かりますので、出来る限り低価格で企業経営の改善のため最大限の貢献をさせて頂きます。

Posted by 清水 康次