SEO対策でペナルティを受ける被リンクとは?原因と対処法、対策を解説します
被リンクはSEOにおいて極めて重要な要素です。
良質なサイトからの被リンクは、検索エンジンからの評価を向上させ、特定のキーワードでの上位表示を促進します。
しかし、誤った手法で被リンクを獲得すると、逆にペナルティを受ける恐れもあります。
そこで今回の記事は、ペナルティを受ける原因となる被リンクの種類や、ペナルティ発生時の対処法、さらにはペナルティを未然に防ぐための対策について詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
被リンクとは
被リンクとは、外部のWebサイトから自社や自身のWebサイトに向けて貼られたリンクのことで、「外部リンク」「バックリンク」とも呼ばれます。
Googleの検索順位において重要な要素の1つであり、多くの企業のWeb運用やマーケティング担当者が注力しています。
被リンクが設置されるのは、主に自社のサービスが他のサイトで紹介されたり、自社サイト内のコンテンツが引用や出典元として記載されたり、顧客や取引先からのリンクを受ける場合があります。
自社サイトから外部へ貼ったリンクは「発リンク」と呼ばれます。
被リンクがもたらすSEOへの効果
被リンクがもたらすSEOへの効果は大きく、自社サイトやサービスが多くのサイトから参照されることで、検索エンジンはそのサイトを有益な情報提供者として認識し、SEOの評価を高める効果が期待されます。
しかし、すべての被リンクが評価されるわけではありません。
低品質なサイトやスパムリンクからの被リンクは逆効果であり、SEOの評価を下げるだけでなく、ペナルティの対象にもなり得ます。
そのため、良質な被リンクを獲得することが重要です。
良質な被リンクを獲得すると、上位表示されやすくなったり、アクセス数が増えたり、ドメインパワーが向上したりする効果が期待できます。
これには、権威のあるサイトや専門性を持つサイトから自然な形でリンクされることが条件です。
良質な被リンクを獲得するためには、自社のコンテンツの品質を高め、サイトの権威性や専門性、信頼性を向上させることが不可欠です。
被リンクが原因でペナルティを受けるケース
SEOでペナルティを受ける危険性のある被リンクにはいくつかの種類があります。
相互リンクサイトからの被リンク
お互いのサイトでリンクを貼り合ういわゆる「相互リンク」を集めているサイトから被リンクを受けると、悪質な被リンクと判断されペナルティを受けやすくなります。
相互リンクが多すぎることは逆にSEO的には悪影響で、検索エンジンから「価値の低いサイト」と判断され順位が下落しかねません。
この方法は以前はSEO対策として有効でしたが、アルゴリズムのアップデート(パンダアップデートやペンギンアップデート)により現在はデメリットが大きく、避けることをおすすめします。
スパムサイトやリンクファームからの被リンク
広告収入の増加を狙って大量のリンクを生成する目的で作成されたスパムサイトやリンクファームは不当な手段で集客を図るサイトであり、これらからのリンクは価値が低いと判断されSEOの効果を得ることはできません。
また、コンテンツと関係のないサイトから大量に被リンクを受けることになるとペナルティを受ける危険性は非常に高くなります。
現在でもこの手法を使っているSEO会社があるので、注意が必要です。
違法コンテンツからの被リンク
違法薬物や児童ポルノ、アダルトな内容や違法な情報を扱っているサイトをGoogleは認めていません。
このようなコンテンツに被リンクが設置されてしまうとペナルティを受ける可能性は当然高くなります。
アダルトサイトからのリンク
普通のサイトにアダルトサイトからリンクを設置されることはありませんが、実際の例として経験したのが、温泉旅館のサイトに、その温泉に入浴している画像などを掲載したアダルトサイトからリンクが設置されていて、ランキングに悪影響が出ていたサイトがありました。
この温泉旅館では、そのような画像の撮影の許可もサイトからリンクを設置することも伝えられておらず、全く知らないリンクでしたが、検索順位が下がっていると連絡があり、調べて判明しました。
コピーコンテンツからの被リンク
オリジナルではない大量のコピーコンテンツを扱っている低品質なサイトからの被リンクもペナルティを受ける恐れがあります。
Googleはガイドラインにてコピーコンテンツを不正行為として扱っています。
関連性の低いページからの被リンク
Googleが被リンクを評価するのは、関連性のあるページからの被リンクです。
関連性が低かったり、登録に当たって審査の無いディレクトリサイト等のページから獲得した被リンクは評価の対象外となります。
掲示板からの被リンク
掲示板の投稿欄にURL付きでコメントを投稿する行為は以前流行しましたが、今でも利用している人をたまに見かけます。
しかしこれはスパム行為として認識されたり関係性のないサイトからのリンクとなるため、当然SEOの評価に悪影響を及ぼします。
最悪の場合、掲示板側からクレームや訴訟問題に発展するケースもあるため避けた方が安心です。
掲示板は、全く関係の無い投稿者が自らの意志で設置するリンクは問題ありませんが、自分で投稿してリンクを設置することは自作自演リンクになるので、ペナルティを受ける恐れがあります。
無料ブログからの自作自演リンク
メインサイトの他に無料ブログを運営して、メインサイトを補完する情報を掲載する事例もありますが、無料ブログからのリンクも自作自演リンクなので、ランキングに悪影響が出ます。
以前は、メインサイトの更新が大変だったため、無料ブログで手軽に情報発信されていたケースもありますが、今ではWordPressなどで簡単に情報の更新ができるようになりましたので、無料ブログを運営する必要はありませんので、リスクを冒すようなことは避けましょう。
テンプレートからのリンク
関連サイトを複数運営している場合など、サイトのフッターなどのテンプレートから設置されているリンクです。
このリンクはあまり悪影響がある認識の無い方が多いですが、過去にリンクスパムがフッターに設置されて、サイトの全ページから設置されていたことが原因で、今でもGoogleがリンクスパムとしているものです。
関連サイトのリンクを設置する場合は、会社概要やサービスのページからリンクを設置するか、テンプレートからリンクを設置する場合は、nofollowにするようにしましょう。
フッターから設置されている有料リンク。
有料リンクの利用
検索順位をコントロールするために売買される有料リンクを購入しWebサイトに設置することは、Googleのガイドライン違反となります。
以前は一般的に使用されていましたが、現在はアルゴリズムのアップデートにより効果はなくなり、ペナルティの対象になる可能性がありますので、このような行為は絶対に避けましょう。
また、有料リンクの中には、意味不明なワードサラダからのリンクが含まれることがあります。
このようなリンクは単に被リンクを増やすためのものであり、ユーザーに価値を提供するものではありません。
古い手法であるワードサラダのリンクは、長期間気付かずに放置されることがありますが、その間にも悪影響を及ぼす可能性があるため、適切に対処する必要があります。
広告にrel="sponsored"の記載が無い
広告にrel="sponsored"の記載が無い場合も、問題があります。
ネット上で広告を掲載する場合、広告であることを明示するためにrel="sponsored"の記載が必要ですが、これがない場合はGoogleによってリンクが広告と認識されず、不正なリンクとして扱われる可能性があります。
例えば、市町村のホームページの広告枠やイベントの協賛、ポータルサイトの広告枠などでも、rel="sponsored"の記載が無いリンクが見られます。
これらのリンクは、広告主のSEOに対する理解が不足しているために生じる問題です。
広告リンクは訪問者を誘導するために設置されることがありますが、その効果よりもGoogleからのペナルティが大きくなる可能性があるため、注意が必要です。
質の低いディレクトリからのリンク
質の低いディレクトリは、審査のない無料登録リンク集です。
申請さえすれば登録されるリンク集は、必然的に低品質なサイトが多く含まれ、そのサイトからのリンクも低品質になってしまいます。
スパムは無効化する
Googleはスパムを無効化すると発表していますが、スパムリンクと不自然リンクは違うとも述べています。
自分が関与していない海外からのスパムリンクは無効化されますが、自らランキングを操作しようとする不自然なリンクにはペナルティが課される可能性があります。
被リンクによる自動ペナルティの解除には時間がかかる
自動アルゴリズムによるリンクペナルティの解除には時間がかかるとされています。
隠しテキストなどの問題を修正すれば、アクセスや検索順位は改善されますが、被リンクによるペナルティの解除は時間がかかる場合があります。実際、数年を要するケースもあります。
リンク否認を行っても、Googlebotがそのリンクをクロールしない限り、否認は成立しません。また、リンクのクロールはページのクロールよりも頻度が低いため、否認したリンクの影響が長期間残ることがあります。
ペナルティ解除が不可能な場合もある
リンク否認を行っても、リンクエコーが残り、ペナルティが解除されないことがあります。
一部のサイトでは、リンク否認を行ってから10年以上経過しても解除できないケースも報告されています。
そのような場合、全く別のドメインで新しいサイトを作成し、Googleに関連性を知らせずに運営することが唯一の解決策となる場合があります。
被リンクを確認する方法
次にサイトへの被リンクの主な確認方法を以下に紹介します。
Google Search Console
Google Search Console(グーグル サーチ コンソール)は、Googleが無料で提供しているツールで、さまざまなサイトの分析を行うことができます。
被リンクを確認する手順は、まずログインし、「セキュリティと手動による対策」から「手動による対策」を選択してペナルティの内容を確認します。
もし「人為的または不自然なリンクのパターンが検出された」という警告が表示されれば、ペナルティを受けている可能性があります。「問題は検出されませんでした。」と表示されれば、問題はありません。
また、「リンク」にアクセスして被リンクの一覧を取得し、低品質や違法なコンテンツを扱っているサイトやスパムサイトを見つけたら、否認の対象としてマークしておきます。
サイトに向けて貼られているリンクを確認する方法
- Search Consoleにログイン
- 「リンク」 → 「外部リンクをエクスポート」 → 「最新のリンク」 → 「CSVをダウンロード」で、Googleが認識している被リンクを確認
Google Search Consoleで確認できるリンクは全てではないため、他の被リンクチェックツールも併用して、できるだけ多くの被リンクを調査することをお勧めします。
Google Analytics
Google AnalyticsもGoogleが提供しているツールの一つで、サイトのトラフィックや利用状況を分析することができます。
ログイン後、「レポート」 → 「ライフサイクル」 → 「集客」 → 「ユーザー獲得」 → 「ユーザーの参照元/メディア」を選択して、参照元からのトラフィックを確認できます。
ただし、被リンク元の詳細な情報やアンカーテキストを確認するには適していませんので、この場合もGoogle Search Consoleを利用することが推奨されます。
チェックツール
Googleが提供するツール以外にも、多くの企業や個人がサイト分析ツールを提供しています。
無料版や有料版があり、無料版には機能制限や使用回数制限がある場合があります。有名なツールとしては、「Ahrefs」(無料版もあり)、 「SmallSeoTools」、 「MOZ」、 「Majestic.com」などがあります。
ペナルティを受けそうな被リンクへの対処法
以上の方法で被リンクを確認し、ペナルティが発覚した場合やペナルティを受けそうな被リンクを見つけた場合の対処法を紹介します。
Google Search Consoleで抽出した被リンク一覧から否認すべきリンクを抽出し、リンク否認のリストを作成します。
その際、以下の注意点を徹底して対応しましょう。
・否認するURL・ドメインは1行につき1つ指定
・ドメインを無効化する場合は「domain:」をつける。「domain:example.com」と記載する。URLを無効化する場合はURLを1行に記載する。不自然なリンクが1本見つかった場合、同一ドメインから複数のリンクがある可能性があるので、ドメイン単位で否認した方が安全です。
・テキストファイルは「UTF-8」か「7-bit ASCII」でエンコードされたものを使う
・ファイル名は何でも良いですが、拡張子は「.txt」
・URLの長さは2,048文字以内
・ファイルサイズは最大で100,000行/2MB以内
次に以下の手順でアップロードします。
1.リンク否認ツールページを開く
2.プロパティ→対象サイトを選択
3.否認リストファイルを選択
4.リストを送信
エラーが表示された場合は、リストを修正して再度送信します。
手動ペナルティを受けた場合は、原因となったリンクを削除し、Googleに再審査をリクエストします。
審査が通らなくても、繰り返しリクエストすることが可能です。
アルゴリズムによる自動ペナルティの解除には時間がかかることがあります。
リンクを否認しても、その効果が現れるのは数年後かもしれません。
Googlebotがリンクをクロールし、否認が成立するまで待つ必要があります。
また、リンク否認はGoogleに対する要請であり、必ずしも認められるわけではないことも覚えておきましょう。
認められたとしても、再評価プロセスを経てインデックスされるまで時間がかかります。
リンク否認後のインデックス再評価プロセスは自動的に進行しますが、これを早める方法はありません。リンク否認を行ったら、その後はGoogleのプロセスに従い、待つしかありません。
SEOに効果的な被リンクを獲得する方法
SEOの評価を上げるための良質な被リンクを獲得する方法を紹介します。
これに取り組むことは同時にペナルティ対策にもなりますので、ぜひ取り組んでみて下さい。
自社にリソースがない場合は、弊社のようなSEO対策専門会社に依頼することをおすすめします。
高品質なコンテンツを制作する
Googleはユーザーにとって有益な情報を提供するサイトを高く評価します。
ユーザーが知りたい情報や、抱えている悩みや問題を解決できる情報を発信することで、外部の優良サイトから自然な形で被リンクの獲得につながるでしょう。
もちろん、発信する情報は理解しやすく正しいものであることを意識して制作することが大切です。
また、既に公開されているコンテンツと類似している情報では、検索結果に表示されないので、被リンクを獲得することは出来ません。
既に公開されているコンテンツとは違った切り口か、より詳しいコンテンツを作成しましょう。
検索ニーズの把握
被リンクの獲得には自社の商品やサービスの紹介に注力するだけでなく、ユーザーの検索意図をいかに満たせるか、といったことも重要になります。
関連キーワードやサジェスト等から解析し、何が求められているのかを把握しましょう。
専門性、独自性を高める
専門性の高いコンテンツを扱うことでユーザーからの被リンクが集まりやすくなります。
また、独自の調査やインタビュー記事を作成したり、専門知識を発信することで独自性だけでなく信頼性を高める効果も期待できます。
SNSを活用する
サイトのコンテンツをSNSでシェアし、より多くのユーザーに知ってもらう機会を広げることで被リンクの獲得につながりやすくなります。
SNSでは定期的に情報を発信し、コメント欄でユーザーと交流することもおすすめです。
広告を活用する
被リンクを獲得できると思える良質なコンテンツを作成出来た場合に、Google広告で、ターゲットを明確に決定してキーワードを選定して広告を掲載することで、キーワードに関心のあるユーザーにピンポイントで見てもらえる可能性があります。
このようなユーザーは、ホームページも運営している可能性が高いので、被リンクを獲得出来る可能性があります。
被リンクによるブラックハットSEOの効果と顛末
ブラックハットSEOで不自然な被リンクを設置した実際のサイトの効果があった時期とペナルティを受けるまでの推移。
不自然なリンクを設置しても一定期間は効果を発揮します。この事例の場合は約3年半はリンク設置以前よりも多くのアクセスを確保しています。しかし、コアアルゴリズムアップデートの度にアクセスが落ちて、最終的にはリンクを設置する以前のアクセスよりも減少してしまいます。
このサイトは約3年半は被リンクの効果がありましたが、Googleはスパムアップデートも行っていますので、現在ではどれ程効果があるかは分かりません。
短期間の勝負の商材なら、低品質なリンクを設置して、売上げを確保した後、ドメインを捨ててしまうような覚悟がある場合は、低品質なリンクの設置も施策としては「あり」かも知れませんが、長期間運営してドメインを育てたいのであれば絶対に被リンクの購入はしてはいけません。
不自然なリンクで自動ペナルティを受けた場合、リンク否認を行ってもペナルティの解除が不可能な場合も多くあり、ドメインを捨てないといけない可能性もありますので、リンクを設置してランキングを操作することは慎重にしましょう。
実際に設置されていたリンク
Googleからの流入の推移を調査したサイトに設置されていたリンクです。英語のページに不自然に日本語のリンクが挿入されていて、どう見ても自然発生リンクだとは思えません。
ランキングを操作する目的で、リンクの質よりもリンクの量を確保したいことが良く分かるリンクです。
このようなリンクパターンは確実にGoogleに捕捉されて、いつかはペナルティを受けるリンクです。
まとめ
SEOにおいて被リンクは重要な要素ですが、その取得方法には注意が必要です。
Googleのガイドラインに従い、正しい方法でサイトを構築し、質の高い被リンクを自然に獲得することが望ましいです。
被リンクを獲得する際には、ランキング操作よりも良質なコンテンツの提供に焦点を当てることが重要です。
自然な形で被リンクが集まれば、SEO効果もより長期的かつ安定したものになるでしょう。
SEOの取り組みに不安や疑問がある場合は、専門のWebコンサルティング会社やSEO対策専門会社に相談することをおすすめします。
効果的な戦略を立て、持続可能なSEO対策を行いましょう。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
清水 康次
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