隠しテキストの見つけ方は?意図せずスパム行為を行っていないかチェックしましょう

2024年8月24日

「隠しテキスト」サイト運営や会社のWebマーケティングの担当者であれば知っておかなければならないワードです。

隠しテキストはSEOに悪影響を与え、Googleからの評価を下げて検索結果の上位表示を阻む悪質な行為ですが、中には自覚なしに誤って行ってしまい、知らないうちに偽装行為と見なされガイドラインの違反との判断でペナルティを受けてしまうケースも多くあります。

そこで今回の記事では、「隠しテキスト」とは何か、その種類や見つけ方について解説してまいります。

どうぞ最後までご覧いただき、みなさんの参考になればと思います。

隠しテキストとは?

隠しテキストはいわゆる「検索エンジンスパム」の一種で、主にCSSにおいてユーザーには見えない、見えづらいようテキストを設置し、HTMLソース上の検索エンジンには認識される状態にします。

検索結果の順位を上げるために不自然な大量のキーワードをページ内に入れ込むこの不当な操作は、ひと昔前までブラックハットSEOの手法としてよく使われてきました。しかし現在はGoogleのアップデートによってペナルティの対象となり、ランキングを下げたり、インデックスから除外される可能性が高くなっています。

また、隠しリンクはリンクを利用した隠しテキストのことで、ユーザーが認識できないリンクを作ってその先にキーワードを入れ、検索結果の上位を狙う手法です。

隠しリンクも現在はほとんどペナルティを受けていますので、自社のWebサイトが意図せず隠しリンクを表示していないか注意しましょう。

隠蔽

隠しテキストの主な手法とは?

それでは具体的な隠しテキストの種類を以下、紹介します。

背景色と文字の色を同じにする

背景と文字の色を同じにすることでユーザーにはテキストが見えなくなりますが、検索エンジンには認識されます。

以前は悪質なサイトでよく用いられている手法でしたが、現在は通用せず、ほとんどの場合ペナルティを受けています。

注意したいのは、完全に同一の色ではなく近い色であっても隠しテキストと認識されてペナルティの対象となってしまうケースもあることです。

文字のフォントサイズを0にする

フォントの大きさを0や小さく設定してユーザーには見えなくしても、検索エンジンにはしっかり文字として認識される事実を逆手にとった手法です。

隠しテキストのつもりではなくサイズが0でなくても、小さすぎると隠しテキストと認識されてしまうケースがありますので、こちらも注意が必要です。

テキストを画像の後ろに隠す

サイトの内容に一致している画像の背後に関係のないテキストの存在を隠し、ユーザーに見つからないようにする隠しテキストの使い方です。

こちらも検索エンジンは認識することが可能です。

意図せず隠しテキストだと認識されないよう、画像の配置には気を付けましょう。

CSSを利用してテキスト領域を表示させないようにする

CSSを用いてテキストを画面の外に配置し、隠しテキストを作る方法です。

意図的でない限り普通はこのようなことは起こりませんので、当然こちらもペナルティの対象となります。

その他

Webデザイナーが昔から使用している手法に「text-indent:-9999px;」(指定された背景画像の裏でテキストをブラウザの画面外にテキストを飛ばす記述)や「display:none;」(指定した内容を非表示にする記述)は悪意がなくてもペナルティーを受ける可能性があるため、使わない方が良いでしょう。

隠しテキストの見つけ方

もし意図せず隠しテキストをしてしまっていたら危険です。

そのため、自社や自分のサイトが隠しテキストを誤って設置していないかチェックすることも大切。

ここでは隠しテキストの見つけ方を紹介していきます。

「Ctrl」+「A」を使う※Macの場合は「Command」+「A]

文字色と背景色を同一にしているものや小さなフォントサイズにしている隠しテキストの見つけ方として、ページの全ての範囲を指定(「Ctrl」+「A」でページ全体を選択)し、反転して青文字で表示されたテキストを確認します。

「TAB(タブ)」を使う

キーボードの「TAB」キーを押すことで、ページ上でリンクが埋め込まれている箇所を選択することが出来ます。

TABをクリックしていけば次のリンク箇所に移動しますので、意図していない場所やユーザーには見えない場所にURLが埋め込まれている場合の見つけ方としておすすめです。

もちろん、ユーザビリティを目的としたURLの埋め込みは問題ありませんが、あえてクローラーにしか気付かれない場所に埋め込んでいるものを発見した場合は削除しておくことが賢明です。

ブラウザの縮小

PCのサイトで表示されているのにスマホサイトでは非表示になっているブロックが存在することもあります。かなり長期に渡ってGoogleからの流入が減少し続けていたサイトで、サイドバーとフッターメニューがスマホで非表示になっていて隠しテキストになっていた事例がありました。

スマホは表示出来る画面が小さいので、WEBデザイナーが必要無いと判断して非表示にしたものと思いますが、ソースに記載されていて、ブラウザに表示されなければ隠しテキストです。

当時引継ぎしていたSEO担当者は、隠しテキストを発見出来ておらず、指摘しても、悪意が無ければ評価は落ちないと言う見解でしたし、Googleの検索ヘルプコミュニティでも質問してみましたが、回答頂いたエキスパートからも、そんなに神経質にならなくても良いとの回答でしたが、隠しテキストを修正して、ソースの内容と、ブラウザの表示を一致させて半月ほど経過してからアクセス数が増加に転じました。

隠しテキスト

2023年4月11日をピークに一貫して下げ続けているのは、隠しテキストが原因と考えられます。隠しテキストを修正してから、Googleからの流入が増加に転じています。

このサイトはPCで表示されているポップアップがスマホには表示されていない隠しテキストを修正した結果です。修正後もなかなか効果が確認出来ませんでしたが、2024年8月15日のコアアルゴリズムアップデートで改善に転じました。隠しテキストが原因だったのか、コンテンツの評価が変わったことが原因だったのかは分かりませんが、様々な施策の成果だと思います。

HTMLソースの確認

ソースコードを理解していれば、直接HTMLから確認することも可能です。

Google Chromeで「F12」を押し、デベロッパーツールを開く方法と、「Ctrl」+「U」を押す方法の2つがあり、コードが開いたら「Ctrl」+「F」で探したいものを検索をします。

例えば、文字のサイズを0にしているテキストの見つけ方は、「font:0」「fontsize=”0″」「font-size:0」を検索してみましょう。

隠しリンクの見つけ方は、「http」で検索し、1つずつ確認します。

また、「text-indent」の画像の置き換えで、画像とテキストの内容が異なる場合も隠しテキストと認識されてしまうためチェックしておきましょう。

ソースを見ると、パンくずリストがあるのにブラウザには表示されていないサイトがありました。制作会社は「パンくずについてはデザイン上、表に表示しておりませんでしたが、表示していないからといって構造上問題のあるものではございません。ですが、ご希望に沿うために表示対応いたしました。」と要領を得ない回答でした。

検出-インデックス未登録

2023年5月16日にパンくずリストの隠しテキストを修正後、検出-インデックス未登録が激減して、正常にインデックスされ、表示回数やGoogleからの流入数も増加に転じました。

アドオンを活用

隠しテキストの見つけ方として活用できるアドオン(拡張機能)もあります。

ブラウザがGoogle Chromeの場合は「リンクゲッター」というアドオンをインストールすることで、Webページの中のハイパーリンクの一覧を表示させることが出来ます。

また、「CSS無効化くん」を使用すると、CSSで隠されているテキストが表示されるので、隠しテキストが見つけ易くなります。

有料ソフトを活用

ここまでは無料で探せる方法を紹介してきましたが、隠しテキストの楽な見つけ方として有料のソフトを活用する方法もあります。

「HTML隠しテキストチェックツール」というソフトは、さまざまな手法で行われた隠しテキストや隠しリンクを簡単に見つけることが可能で、約1万円と費用はかかりますが手間を省いて簡単にチェックできる点がおすすめです。

悪意が無くて小規模でも評価を落とす

隠しテキストを指摘すると、制作会社は決まって、「悪意が無く大規模で無ければ、悪影響は無い」と回答しますが、恐らくその解答は、実際に検証して確証を得ているものではありません。

どんなに小規模でも、Goooglebotに見せる情報と、ユーザーが見る情報に違いがあったら修正しましょう。

実際にGoogleがどう評価しているのかは、隠しテキストを修正して、ある程度時間が経過した後でないと分かりません。

また、どんな小規模な隠しテキストでも、ランキングにプラスになっていると言うことは絶対にありません。

隠しテキストでペナルティを受けてしまったら

意図せず隠しテキスト行為をしてしまいペナルティを受けてしまった際は、上記で紹介した見つけ方で原因となっている要素を探し、削除、修正を行いましょう。

その後、Googleサーチコンソールというツールを使って再審査のリクエストを送信します。

再審査の手順は下記を参考にしてみて下さい。

1.Google Search Consoleにログイン

2.「手動による対策」を見てサイトが適用しているかどうか確認し、問題を修正

3.「セキュリティの問題」を見て、同様に問題点がないか確認

4.すべて改善したら「再審査をリクエスト」をクリック

自動ペナルティを受けている場合は隠しテキストを修正すればアクセスは回復します

自動ペナルティはGoogleから通知が届かないので、確実に判別することは出来ませんが、隠しテキストがあれば、確実にアクセスや検索順位の低下が起こります。

ホームページ納品時点から隠しテキストがある場合は、正常なアクセス数が分からないので、隠しテキストを修正することで、どこまでアクセスが増加するのか判断出来ませんが、通常、隠しテキストを修正すると、半月~1ヶ月程度でアクセス数は増加に転じます。

ただ、隠しテキストがあったページ全てをクロールするのには時間が掛かりますし、Googleが再評価するのにも時間が必要なので、本来のアクセスになるまでには、1年程度は掛かると思っていた方が良いでしょう。

隠しテキストがペナルティにならないケース

隠しテキストとはいえ、実は全ての行為がペナルティを受けるわけではなく、不正行為と見なさなければ問題にならないケースもあります。

例えば、タブの切り替えで見ることができる文章やリンクです。

タブはユーザーの操作によって表示させることが出来るため、上記で紹介した手法とは違いスパム行為とは扱われません。

タブを使ってコンパクトなデザインにすることは、スマホ等のモバイルユーザーが見やすくなるという効果があるため、この手法が活用されることが事例としても多いです。

また、ページ上に設置したアイコンやロゴにマウスオーバーさせて注釈を表示させるケースもペナルティの対象にはなりません。

このような施策は隠しテキスト、隠しリンクには該当しませんので、ユーザビリティを高めるために安心して使用していきましょう。

まとめ

隠しテキストは意図せず行ってしまうこともあります。かなり厳しいペナルティを受けることもありますので、コンテンツを制作する際は十分気を付けましょう。

サイト管理の担当者が変わった時などは、今回紹介した見つけ方を参考に、念のため隠しテキストや隠しリンクがないか探すことをおすすめします。

本サイトでは他にもSEOに関連する情報を発信していますので、合わせてご覧くださいませ。

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清水 康次

過去にインターネット受注で100%稼動する縫製工場を経営しており、平成17年度に経済産業省「IT経営百選」で優秀賞を受賞、翌18年には、最優秀賞を受賞するまでになりましたが、その後縫製工場の経営を止め、飲食店のインターネット担当として勤務いたしました。平成28年11月より独立してSEO対策とWEBコンサルタントとして多くのサイトの検索流入やコンバージョンの改善実績があります。