テクニカルSEOとは?デメリットはあるの?具体的な施策も合わせて紹介します

2024年9月10日

ホームページを利用して集客を狙っている方にとって必須となる「SEO」ですが、「テクニカルSEO」という言葉を聞いたことはありますか?

「コンテンツSEOとは何が違うの?」「テクニカルSEOも実施した方が良いの?」

といった質問もよく耳にします。

そこで今回の記事では、テクニカルSEOとは何か、メリットとデメリット、具体的にどのような対策を行えば良いのかについて解説します。

どうぞ最後までご覧くださいませ。

SEO

目次

テクニカルSEOとは?

テクニカルSEOとはSEO内部施策の1つで、GoogleやYahoo!等の検索エンジンに正しくWebサイトを認識してもらうために行う施策のことを指します。

テクニカルSEOの中にはクローラーに対するものと、インデックスに対するものの2種類に分けられますが、これらを総称して「テクニカルSEO」と呼んでいます。

サイトの順位を上げるにはリスティング広告などの方法もありますが、費用がかかり続けるうえ広告を嫌うユーザーも増加しています。

SEOであれば成功すれば少ないコストで自然に外部からの流入やアクセス数、クリック数を増やし、さまざまな効果を得ることが実現しますので、サイトを運営している方なら必ず導入したい基本の施策です。

テクニカルSEOは、コンテンツを適切に評価してもらいコンテンツ本来の順位に表示させるもので、コンテンツに下駄を履かせて上位表示するような手法ではありません。

テクニカルSEOとコンテンツSEOはターゲットが異なる

SEOというとコンテンツSEOを思い浮かべる方が多いかと思いますが、テクニカルSEOと最も大きく違うところは施策におけるターゲットの違いです。

コンテンツSEOはユーザーをターゲットにしていますが、テクニカルSEOは「検索エンジン」をターゲットにした施策です。

ユーザーが特定のキーワードで検索を行った際に上位表示させるためには、まず検索エンジンに自社のWebサイトについて認識してもらうことが必要です。

テクニカルSEOでは、”サイトの内容を正確に検索エンジンに伝え、少しでも早くインデックスされること”を目的として内部構造を最適化し、SEOの評価を得られるよう対策を行うものになります。

一方でコンテンツSEOのターゲットは「ユーザー」となります。

ユーザーが求めるものは何か、ユーザーにとって役立ち、価値のある情報は何か、ユーザーにとって伝わりやすいサイトの構成はどのようなものか等を考え、より有益なコンテンツを提供するために実施する対策です。

こうして見るとテクニカルSEOとコンテンツSEO、どちらもWebサイトで集客を行うためには重要な施策となりますが、サイトの目的によってどちらのSEOにより注力すべきかが異なります。

良質なコンテンツは加点要因

コンテンツSEOの基本となる、ユーザーの検索意図に合った良質なコンテンツの掲載は加点要因で、パクリコンテンツや全く監修無しのAIの自動生成コンテンツなどで無い限り、SEOでは加点要因になります。

テクニカルな問題は減点要因

テクニカルSEOの問題があるサイトは、良質なコンテンツの掲載を行っていても、適切に評価されません。テクニカルSEOはサイトがマイナスの評価をされず、コンテンツ本来の順位に表示するための施策です。

Googleのコアアルゴリズムアップデートなどでアクセスが激減する原因のほとんどはテクニカルSEOの問題だと思います。

テクニカルSEOに注力すべきサイトはデータベース系サイト

テクニカルSEOを優先した方が良いサイトの種類としては、ECサイトやマッチングサイト、不動産や求人などの検索サイトといったデータベースを使用したメディアになります。

データベース系サイトではコンテンツの質や内容よりも”量”が重視されます。

そのため上記で挙げたようなサイトでは、できるだけたくさんの情報をユーザーに提供できる方が、サイトとして評価されるものになりますよね。しかし、データベース系のサイトの場合、生成されるページが大量に出来るので、中にはGoogleに認識させるべきでは無いページも生成されます。

このジャンルのサイトはどれも情報量やコンテンツに違いがあまりないため、テクニカルSEOによっていかにクローラビリティやインデックスステータスを最適化するといったことでGoogleにインデックスすべきページのみをクロールさせるようにします。

一方でコンテンツSEOを優先すべきサイトの種類としては、ブログ、ブランドサイト、コーポレートサイトといった所謂テキスト系のサイトです。

というのも、これらのサイトではサイト全体ではなくページごとにSEOを行う必要があり、ユーザーの検索意図を重視したコンテンツSEOが適しているからです。

もちろん、どちらのサイトのタイプであってもテクニカルSEOとコンテンツSEO両方の対策が必要となりますが、より力を入れるべきものはどちらなのか迷われた時には参考にして頂ければと思います。

テクニカルSEOが作用するクローラーとインデックス

テクニカルSEOには、検索エンジンの「クローラー」と「インデックス」それぞれに作用する項目が分けられます。

クローラーとは、ユーザーが検索した意図に対してより適切な結果を表示するために検索エンジンがインターネットの中に無数にあるWebサイトの情報を収集する自動巡回プログラム・巡回ロボットのことを言います。

インデックスとは、クロールして発見したWebページの情報を検索エンジンのデータベースに登録することを言います。

テクニカルSEOにおいてそれぞれに作用する項目は以下となります。

クローラーに作用するもの

・ページ表示速度の高速化

・モバイルフレンドリー

・URLの最適化

・サイトマップの正規化

・サイトの階層構造の最適化

インデックスに作用するもの

・タイトルの最適化

・ディスクリプションの最適化

・内部リンクの設置

・重複コンテンツの削除

・低品質なコンテンツに対するクロールの制御

Googleのスパムポリシー違反の修正

・リンクスパムの修正

・隠しテキストの解消

・キーワードの乱用の修正

・誘導ページの修正

これらの項目がどちらに作用するのかを理解しておくこは、より最適なテクニカルSEOを実施する上で大切な指針となりますので是非覚えてみて下さい。

テクニカルSEOにデメリットはあるのか

テクニカルSEOの手法は実はGoogleのウェブマスター向けガイドラインで公開されています。

クロールやインデックスされるための方法がはっきりとしているため、業務における範囲や作業の内容を定型化しやすく、比較的誰でも取り組みやすいものとなっている点がテクニカルSEOを行う大きなメリットです。

また、Googleから無料で提供されているツールであるGoogle Search Console(サーチコンソール)を使用するとクロールされたページやインデックスが分かるため、テクニカルSEOによってどのような効果があったのかわかりやすく、施策の検証にも便利です。

一方でテクニカルSEOのデメリットは何かというと、お客様が利用されているサーバーやCMSによってはシステムの制約が起こる場合があり、それによって施策出来る範囲が限られてしまう可能性があることです。

状況によってはシステム自体を変える必要に迫られ多くのコストや労力がかかったり、サイト全体への影響を考慮しなくてはなりません。

テクニカルSEOの具体的な施策

テクニカルSEOにおけるクローラビリティの向上とインデックスの最適化、それぞれに対する具体的な施策を説明します。

クローラビリティの向上に対するテクニカルSEO

重複ページを1つのURLに

サイト内に内容が重複したコンテンツのページが複数ある場合、クローラーにそのすべてのページを巡回させてしまうと他のページへのクロールが遅れてしまったり、クロールバジェットを浪費してしまいます。

これを阻止するために重複した内容のページを1つのURLにまとめ、リダイレクトやcanonicalタグを使用してこのURLを検索エンジンに伝える施策です。

重複コンテンツの対応の注意点としては、重複コンテンツをrobots.txtでブロックしないことです。

重複コンテンツが大量にあるとGoogleからの評価は確実に下がります。

モバイルフレンドリー対応

現在、Webサイトの閲覧で使われるのはスマホ等のモバイル端末が主となっています。そのため、自分たちのWebサイトをスマホの画面に対応させたモバイルフレンドリー対応は必須の施策となっています。

モバイルで見た時に閲覧しやすいか、テキストや画像のサイズは問題ないか、サイトのデザインやレイアウトは崩れていないか、リンクは押しやすいか等、チェックする項目はたくさんありますが、Googleが提供している「モバイルフレンドリーテスト」を使うと簡単に確認することが可能なため活用することをおすすめします。

表示速度

ページの表示が遅いとユーザーはストレスを感じすぐに離脱しやすくなる傾向にあります。このように表示速度はユーザビリティを向上させるために必要なものの1つであり、更にランキングにも影響する要素となっています。

表示されるスピードが遅い場合はデータの容量を減らす、大きいファイルサイズの画像や動画は使わない、ファイルを圧縮するなど、改善するための対策が必要です。

表示スピードを改善した効果

表示スピードの改善

階層構造の最適化

サイトの階層やページの関係性を分かりやすい作りにすることでクローラーは巡回しやすくなります。

また、クローラーだけでなくユーザーにとっても必要なコンテンツを見つけやすくなるという効果もあります。

この他にもXMLサイトマップやパンくずリストの設定、robots.txtの設定といった対策も、テクニカルSEOとして有効です。

インデックス最適化に対するテクニカルSEO

重複コンテンツを避ける

重複したコンテンツはコピーサイトと見なされ、インデックスされない原因にもなります。

そのため、他のサイトのコピーや類似したコンテンツが自分たちのWebサイトにないかどうかをチェックツール等を使って確認したり、新たに作成しないよう注意しなければなりません。

特定のキーワードの解説は結果的に同じことを掲載することが多くありますが、その中にオリジナルな情報があれば問題ありません。

重複コンテンツを修正した効果

重複コンテンツの修正

見出しを改善する

見出しやtitle、meta descriptionは、このコンテンツがどのような内容のものなのかを検索エンジンに伝える重要なタグとなります。

そのため、タイトルや各見出し等には選定したキーワードをなるべく文頭に入れる等の最適化を図ることが有効です。

タイトルや見出しは30文字以内、meta descriptionは100字程度を目安に文字数が長くなり過ぎないようにし、キーワードの入力も不自然にならないよう気を付け、HTMLソースに設定して情報を指定するメタタグのやh1、h2、h3などhタグを適切に設定することも大切です。

alt属性の設置

alt属性はその画像がどのようなものであるかを正しくクローラーに伝える役割があります。

検索エンジンの今の技術ではまだ画像のまま認識することが難しいため、それに合わせ適切なalt属性を設置することで正しい情報でインデックスされやすくなるのです。

また、画像を配置する位置は関連性の高い場所にすること、そして画像ファイルのファイル名を英語(ローマ字はNG)にすることもクローラーが読み込みやすくなるためおすすめです。

アンカーテキスト

リンクに表示するテキストのことをアンカーテキストと呼びますが、リンク先がどのようなページであるかを分かりやすく表現したアンカーテキストにしなくてはなりません。

また、リンク切れが発生してしまった際には301リダイレクトや404エラーを返すよう設定しましょう。

低品質なコンテンツに対するクローラーの制御

低品質なコンテンツが大量にGoogleに認識されていて、評価を落としていることがあります。これらのページはSearch consoleの「クロール済み-インデックス未登録」や「検出-インデックス未登録」に表示されています。

具体的には「画像だけのページ」や「0~1記事しか掲載されていないtagページ」や「検索結果は0件でした」、その他、「お問合せページ」「お問合せ完了ページ」なども低品質なページです。

さらに「お知らせ」や「プレスリリース」もユーザーにとっては何の価値も無いページである可能性がありますので、中身を吟味する必要があります。「お客様の声」も単独ページだと超短文なので、低品質なコンテンツと判断される可能性があります。

また、ブラウザでは、404エラーと表示されますが、サーバーステータスは200(成功)を返しているソフト404のページも低品質なページなので適切に対応する必要があります。

このようなページはnoindexにするか、robots.txtでブロックするようにしましょう。

大量にある低品質なページに適切に対応すれば、かなり検索流入を増やすことが出来ます。

低品質なコンテンツに対するクローラーの制御を行った効果

クローラーの制御

Googleのスパムポリシー違反の修正

リンクスパムの修正

過去に、SEO業者が設置したリンクや無料登録リンク集などに登録していた場合は、可能なものは極力削除します。どうしても削除出来ないリンクはリンク否認を行います。

リンクの否認は否認ファイルを送信しても、直ぐには効果ありません。効果を感じるまでには、かなり長期間を要しますし、スパム行為が悪質であった場合はリセットされないこともあります。

その場合は、別ドメインで全く新たなサイトを1から作り直す必要があります。また、旧サイトからはリダイレクトも設置してはいけません。

他にも、広告を掲載したサイトからのリンクがrel="sponsored"になっておらず、有料リンクと判断されてしまっている事もあります。

また、メインサイトと、サービスや事業別のサイトを別ドメインで作成した場合に、そのサイトのリンクをサイドバーやフッターから設置することもリンクスパムに該当します。

リンク否認の効果

リンク否認の効果

隠しテキストの修正

ソースに記載があるのに、ブラウザには表示されないテキストは隠しテキストです。隠しテキストは規模が小さい場合は、ほとんど悪影響はありませんが、大規模な場合はランキングに悪影響が出ます。

特に問題になるのは、PCのページとスマホのページでスマホのページを省略している場合です。特に多いのは、サイドバーやフッターを非表示にしている例です。

また、PC用とスマホ用に別々のHTMLの記載があるのも隠しテキストに該当します。これは、通常のブラウザでは、何も違和感がありませんが、読み上げブラウザで読み上げると、ほとんど同じ内容を2回読み上げるブロックが存在します。

隠しテキスト修正の効果

隠しテキスト

キーワードの乱用の修正

キーワードの乱用は、営業範囲の都道府県や市町村名を羅列したり、特定のブロックにキーワードが頻出するものです。

特に問題になるのは、メニューにSEO対象のキーワードが頻出するのは悪影響が出る可能性があります。

誘導ページの修正

誘導ページで良くあるのは、営業範囲の都道府県や市町村別のページがある場合です。都道府県や市町村によって違ったサービスは無いので、都道府県名や市町村名以外は同じ内容のページが作成されます。

このようなページは検索エンジンが無ければ作成されることは無いページでユーザーのためのページでは無く、検索エンジンのために作成されたページなのでスパムポリシー違反になります。

テクニカルSEOの進め方と手順のポイント

以上でテクニカルSEOの特徴や具体的な対策について紹介してまいりましたが、実際に実施する手順についてもお伝えしておきます。

テクニカルSEOにはクローラーとインデックス、それぞれに作用する項目があることを記述しましたが、クロールが出来ないことにはインデックスに登録されないため、まずはクローラーへの施策を優先して取り組みましょう。

その後、クロールされたことを確認できてからインデックスについても行っていきます。

先ほども紹介しましたが、この時、Google Search Console(サーチコンソール)でインデックスの状況を確認し、インデックスされていない記事が見つかったら順次対応していきます。

まとめ

いかがでしたか?

テクニカルSEOはデータベース系のサイトで優先して実行し、Googleのガイドラインにて明確にされているやるべきことを確認しながら取り組みます。もちろん、コンテンツSEOも並行して実施していきましょう。

とはいえいざSEOを実践しようとしてもそのはじめ方が分からない、実施しても成果がなかなか出ないためこのやり方で良いのか・・・といった担当者の悩みも少なくありません。

SEOは本やセミナーも多く誰でもトライ出来るものの、成果を発揮するためにはある程度のマーケティング(Webマーケティング、デジタルマーケティング等)の仕組みや関係する知識やノウハウ、Googleのアルゴリズムへの理解がやはり必要ですし、アクセス解析や効果の測定を行い状況を判断しながら別の手を考えたり、役立つコンテンツの更新を続けなくてはなりません。

しかしコストの削減や人材が不足でそこまで手を回せないというケースもあるでしょう。

そのような場合は是非、SEO専門の会社である当社までご相談ください。

お客様のWebサイトを上位に表示させアクセスを増やすために、まずは現在の状態を把握し、徹底して調査・分析を行い、プロのライターによるコンテンツ制作や適切な施策を効率良く進めます。

SEOサイトに強いWebサイトの作り方のアドバイスやサイト運用の支援、無料のサイト診断サービスも実施しておりますので、どうぞお気軽にご連絡くださいませ。

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清水 康次

過去にインターネット受注で100%稼動する縫製工場を経営しており、平成17年度に経済産業省「IT経営百選」で優秀賞を受賞、翌18年には、最優秀賞を受賞するまでになりましたが、その後縫製工場の経営を止め、飲食店のインターネット担当として勤務いたしました。平成28年11月より独立してSEO対策とWEBコンサルタントとして多くのサイトの検索流入やコンバージョンの改善実績があります。