中古ドメインのデメリットとその対策

2024年8月13日

中古ドメインとは、以前に他の人や企業が使用していたドメインを再利用することを指します。中古ドメインの購入や使用は、SEO（検索エンジン最適化）の効果を期待して行われることが多く、その歴史的なバックリンクやドメインオーソリティ（権威性）を利用して、ウェブサイトの検索エンジンでの順位を向上させることができると考えられています。しかし、中古ドメインにはいくつかのデメリットが存在し、それらを十分に理解しておかなければ、予期しないトラブルに巻き込まれる可能性があります。本記事では、中古ドメインを使用する際の主なデメリットと注意点、それらに対する対策について詳しく解説します。

1 中古ドメインのデメリットと対策
2 中古ドメインのメリットは？
3 信頼できる中古ドメインの選び方は？
4 中古ドメインはどこで探す？
5 まとめ

中古ドメインのデメリットと対策

過去のペナルティの影響

中古ドメインの最大のリスクの一つは、以前の所有者によって検索エンジンからペナルティを受けている可能性があることです。ペナルティは、スパム行為や不正なSEO手法（ブラックハットSEO）によって検索エンジンからの評価が低下することを指します。例えば、過去にリンクファームやキーワードの過度な詰め込み等、違反行為が行われていた場合、検索エンジンからの評価が著しく低下し、その結果、現在のサイト運営に悪影響を及ぼしたり、検索結果に適切に表示されるのを妨げる可能性があります。

＜対策方法＞

ペナルティの影響を避けるためには、ドメイン購入前にその履歴をしっかりと調査することが重要です。Googleの「Search Console」や「Wayback Machine」を使用して、そのドメインが過去にどのようなサイトで使用されていたかを確認できます。万が一、ペナルティの影響が確認された場合は、そのドメインの使用を避けるか、ペナルティの解除手続きを行う必要があります。

ブランドイメージのリスク

中古ドメインには、そのドメインが以前使用されていた際のイメージや評判が付随しています。特に、以前に詐欺的なサイトやアダルトコンテンツなど、不適切な用途で使用されていた場合、そのドメインを新たに使用することで、現在の運営者のブランドイメージに悪影響を与える可能性があります。また、過去の使用者が著作権や商標権を侵害していた場合、その問題が引き続き発生するリスクも考えられます。

＜対策方法＞

ブランドイメージのリスクを軽減するためには、ドメインの過去の使用履歴を徹底的に調査することが重要です。ドメインに関連するレビューやフォーラム、SNSの投稿をチェックし、ネガティブな情報がないかを確認しましょう。また、可能であれば、そのドメインが過去に商標権や著作権の問題を起こしていないかも調べておくと安心です。さらに、新しいブランドやサイト名と整合性のあるドメインを選ぶことで、潜在的なイメージリスクを最小限に抑えることができます。

SEO効果が期待できない場合がある

中古ドメインは、過去のバックリンク（外部のサイトから自サイトに向けられたリンクを指す）やドメインオーソリティを利用して、SEO効果を期待することが一般的ですが、必ずしもその効果が得られるとは限りません。例えば、過去に獲得したバックリンクが現在では価値が低下している場合や、そのリンクがスパム扱いされている場合、新しいサイトのSEOにはほとんど寄与しません。また、Googleなどの検索エンジンは、ドメインの所有者変更を認識し、評価をリセットすることもあるため、期待した効果が得られない可能性もあります。

＜対策方法＞

SEO効果を正確に見極めるためには、購入前にドメインのリンクプロファイルを調査することが重要です。「Ahrefs」や「Moz」などのSEOツールを使用して、バックリンクの質や量、アンカーテキストの分布などを確認しましょう。また、過去のSEOスコアを盲信せず、購入後のSEO施策に力を入れて、新たなバックリンクの獲得やコンテンツの最適化を行うことが求められます。加えて、購入後しばらくの間は検索エンジンからの評価が変動する可能性があるため、その動向を注意深く観察することも重要です。

更新や移転の手続きの複雑さ

中古ドメインを購入する際、ドメインの移転や更新手続きがスムーズに進まない場合があります。特に、以前の所有者がドメインの移転に消極的であったり、手続きに不備がある場合、時間と労力がかかる可能性があります。また、ドメインが海外のレジストラ（ドメイン登録業者）で登録されている場合、言語や規約の違いから手続きが複雑になることも考えられます。

＜対策方法＞

手続きを円滑に進めるためには、信頼できるレジストラを通じてドメインを購入することが重要です。ドメインの所有権移転がスムーズに行われるよう、購入前にレジストラの評判やサポート体制を確認しましょう。また、手続きに必要な書類や情報を事前に整備し、迅速に対応できるよう準備しておくことも有効です。さらに、複雑な手続きが予想される場合は、専門の代行業者に依頼することも検討すると良いでしょう。

費用対効果の低さ

中古ドメインは、新規ドメインに比べて高額になることが多く、特に人気のあるキーワードを含むドメインや、過去に高い評価を受けていたドメインは、数万円から数十万円、場合によってはそれ以上の価格になることもあります。しかし、その価格に見合ったSEO効果やブランド価値を得られるかどうかは、購入前には確実ではありません。

＜対策方法＞

費用対効果を考慮するためには、ドメインの購入前に詳細なリサーチを行い、そのドメインが提供する価値を慎重に評価することが重要です。また、コストを抑えつつ効果を得るためには、すでに価値が確立されている中古ドメインよりも、自社のニーズに合った新規ドメインを取得し、自分たちでSEOを強化していくという選択肢も検討すべきです。予算と目標を明確にし、慎重な判断を行いましょう。

中古ドメインのメリットは？

中古ドメインにはいくつかのメリットがあり、特にSEOやブランド構築において有利に働くことがあります。以下にその主なメリットを紹介します。

過去のSEO実績を引き継げる

中古ドメインの最大のメリットの一つは、過去にそのドメインが築いてきたSEO実績、ドメインパワーを引き継いでいけることです。検索エンジンで上位表示されるかはこのドメインパワーの指標に大きく左右され、ドメインの歴史やバックリンクの質を評価の要素として考慮するため、すでに評価の高いドメインを使用することでゼロから始めるよりも短期間で検索順位を向上させ、効率的な集客が可能となります。

中古ドメインには、以前の所有者が構築した高品質なバックリンクがすでに存在している場合があります。これらのバックリンクは、サイトの信頼性を高め、検索エンジンの評価にプラスに作用することが期待されます。ただし、これらのリンクが有効であり続けているかを確認することが重要です。

ドメイン年齢の影響

ドメインの年齢もSEOにおいて重要な要素とされます。検索エンジンは、長期間にわたって運用されているドメインを信頼性が高いと見なし上位に表示されやすくなる傾向があります。新規ドメインよりも、中古ドメインの方が短期間で検索順位の向上を期待できる理由の一つです。

ブランディングの強化

中古ドメインが過去に多くのトラフィックを集めていたり、ブランドとして認識されていた場合、その知名度や信頼を引き継ぐことができます。これは、特定の業界やニッチにおいて特に有効であり、すでに確立されたブランドの一部として認識されることで、ユーザーの信頼を得やすくなります。

中古ドメインの中には、重要なキーワードが含まれているものもあります。このようなドメインは、自然検索でのクリック率を高め、ターゲットオーディエンスに対してわかりやすいメッセージを伝えることができます。また、適切なキーワードを含むドメインは、SEO対策の一環としても効果的です。

即時のウェブサイト立ち上げが可能

新規ドメインの購入後には、ドメインのインデックス登録や、基本的なSEO施策を行うための時間が必要です。一方で、中古ドメインはすでにインデックスされている場合が多く、ウェブサイトを立ち上げる際の初期のSEO作業を省略できる場合があります。これにより、すぐにトラフィックを獲得しやすくなり、時間と労力を節約できます。

競合優位性の確保

特定の業界やニッチにおいて、既に評価されている中古ドメインを取得することで、競合他社よりも有利なポジションを確保することが可能です。これは特に、同じキーワードやターゲット市場を狙っている場合に有効です。

信頼できる中古ドメインの選び方は？

中古ドメインを選ぶ際には、慎重な検討が必要です。中古ドメインのデメリットをある程度軽減するために、選定のプロセスで重要となる失敗しないポイントを以下に詳しく紹介します。

ドメインの履歴をチェックする

ドメインが過去にどのようなサイトで使用されていたかを確認することは非常に重要です。過去にスパム行為やアダルトサイト、詐欺サイトなど不適切な用途で使われていたドメインは、検索エンジンからの評価が低い可能性があります。これを調べるには、「Wayback Machine」を使ってドメインのアーカイブされた過去のウェブサイトのコンテンツを確認するのが有効です。

中古ドメインが過去に検索エンジンからペナルティを受けたことがあるかを確認することも不可欠です。Googleの「Search Console」を使用してペナルティの有無をチェックしたり、「Googleペナルティチェックツール」を活用することで、リスクを最小限に抑えることができます。

バックリンクの質を調査する

中古ドメインの価値は、バックリンクの質と数に大きく依存します。「Ahrefs」や「Moz」などのSEOツールを使って、そのドメインにどのようなバックリンクが付いているかを詳細に分析しましょう。高品質なバックリンクが多いドメインは、SEO効果が期待できますが、スパムリンクや無価値なリンクが多いドメインは避けるべきです。

バックリンクのアンカーテキストも重要な要素です。アンカーテキストとは、リンクに使用されているテキストのことです。自然な形でターゲットとするキーワードが使用されている場合は、SEOに良い影響を与える可能性が高いです。ただし、不自然に多くのリンクが同じアンカーテキストを使用している場合は、スパムと見なされるリスクがあります。

ドメインオーソリティを確認する

「Moz」や「Ahrefs」のツールを使って、ドメインオーソリティ（DA）やURLオーソリティ（UA）といったスコアを確認することができます。これらのスコアは、ドメインの信頼性や権威性を示しており、SEO効果の指標として参考になります。スコアが高ければ、そのドメインはSEOに有利に働く可能性が高いです。

ドメイン年齢と過去の所有者を調べる

ドメインの年齢は、SEOにおいてプラスの要素とされることが多いです。一般的に、古いドメインほど信頼性が高く、検索エンジンの評価も良い傾向があります。ドメインの年齢は、「WHOIS」検索で確認することができます。

ドメインの過去の所有者が誰であったかを調べることも重要です。これにより、そのドメインが信頼できる企業や個人により運営されていたかどうかを判断することができます。過去に評判の悪い所有者が管理していたドメインは避けるべきです。

ドメイン名自体の価値を考える

ドメイン名にキーワードが含まれているかどうかも評価基準の一つです。特定のキーワードが含まれているドメインは、SEO上のメリットがあるだけでなく、ユーザーにとってもわかりやすい名前となります。ただし、あまりにも一般的なキーワードを含むドメインは、競合が多くなる可能性もあります。

ドメイン名が自社のブランドやビジネスに適しているかどうかも重要です。覚えやすく、簡潔で、ユーザーにとって魅力的なドメイン名を選ぶことで、ブランドイメージを強化することができます。

レジストラとそのサポート体制

中古ドメインを購入する時には、信頼できるドメインレジストラ（ドメイン登録業者）を選ぶことが大切です。過去のドメイン履歴や所有権の移転手続きがスムーズに行えるかどうかは、レジストラのサポート体制に大きく依存します。評価の高いレジストラを選び、購入後のトラブルを防ぐために事前にレビューや評判を確認しましょう。

中古ドメインはどこで探す？

中古ドメインを探す際には、信頼性が高く、使いやすいプラットフォームやサービスを利用するのが最も効果的です。以下に、おすすめの中古ドメインマーケットプレイスとツールを紹介します。

SEDO

特徴

SEDOは、中古ドメイン市場で最も有名で規模の大きいプラットフォームの一つです。世界中のドメインが取引されており、オークションに参加し購入することも可能です。カテゴリ別にドメインを検索できるほか、ドメインの評価や売買のサポートも充実しています。

メリット

・大規模なドメインリストから選べる

・安心の支払いエスクローサービス（仲介サービス）

・幅広い価格帯のドメインが提供されている

GoDaddy Auctions

特徴

GoDaddyは世界最大のドメインレジストラであり、そのオークションサイトでは数多くの中古ドメインが売買されています。定期的に更新されるドメインリストと、詳細な検索フィルター機能があり、ニーズに合ったドメインを見つけやすいです。

メリット

・ドメインの入札や即時購入が可能

・信頼性の高い大手プラットフォーム

・ドメインの残り期限やトラフィック情報なども提供

Namecheap Marketplace

特徴

Namecheapも人気のあるドメインレジストラで、そのマーケットプレイスでは中古ドメインが販売されています。固定価格での購入が可能で、手軽にドメインを選べます。

メリット

・シンプルで使いやすいインターフェース

・固定価格での購入が可能

・購入後の管理が簡単

Flippa

特徴

Flippaは、ウェブサイトやオンラインビジネスの売買に特化したマーケットプレイスですが、中古ドメインの取引も行われています。競争力のある価格で多様なドメインが提供されており、特定のビジネスニッチに特化したドメインを探すのに適しています。

メリット

・ウェブサイトやアプリとセットでドメインを購入できる場合もある

・投資目的でのドメイン購入に向いている

・詳細なドメイン情報と過去の収益データを確認できる

ExpiredDomains.net

特徴

ExpiredDomains.netは、期限切れドメインのリストを提供する無料のプラットフォームです。大量のドメインから細かい条件でフィルタリングできるため、特定のキーワードや条件に合ったドメインを効率的に見つけることができます。

メリット

・無料で使用可能

・多彩なフィルタリングオプション

・更新頻度が高く、最新のドメイン情報を提供

Domain Agents

特徴

Domain Agentsは、交渉サービスを提供するユニークなプラットフォームです。特定のドメインを直接所有者と交渉して購入することができ、希望のドメインが市場に出ていない場合でも交渉を開始することができます。

メリット

・希望のドメインを個別に交渉して購入できる

・専門家のサポートが受けられる

・競合が少ない場合、リーズナブルな価格で取得できる

まとめ

中古ドメインの利用には多くのデメリットが存在しますが、それらを十分に理解し、適切な対策を講じることで、リスクを最小限に抑えることができます。中古ドメインの購入を検討する際は、そのドメインがもたらすリスクとリターンを慎重に天秤にかけ、自社にとって最適な選択を行うことが重要です。ドメインの歴史をしっかりと調査し、必要な対策を講じることで、思いがけないトラブルを避け、効果的にWebサイトを運営していきましょう。

このサイトでは、他にもSEO対策やWebからの集客に強いサイト作り、Webマーケティングに関連した情報を掲載しております。ぜひ合わせてご覧いただき、Web集客にお悩みの方はお気軽にご相談いただければと思います。

この記事を書いた人
最新の記事

清水　康次

過去にインターネット受注で100%稼動する縫製工場を経営しており、平成17年度に経済産業省「IT経営百選」で優秀賞を受賞、翌18年には、最優秀賞を受賞するまでになりましたが、その後縫製工場の経営を止め、飲食店のインターネット担当として勤務いたしました。平成28年11月より独立してSEO対策とWEBコンサルタントとして多くのサイトの検索流入やコンバージョンの改善実績があります。