フォーム離脱率とは?その改善策を徹底解説
Webサイトのフォームは、問い合わせや購買手続き、資料請求など、多くのビジネスで重要な役割を果たしています。しかし、フォームの途中でユーザーが離脱してしまうことは少なくありません。この「フォーム離脱率」を改善することは、コンバージョン率の向上に直結します。本記事では、フォーム離脱率の概要とその改善策、改善する時にチェックしたいポイントについて詳しく解説します。サイト運用担当者の皆様に向け、参考にしていただければと思います。
目次
フォーム離脱率とは?
フォーム離脱率とは、Webサイトのフォームに入力を開始したユーザーのうち、入力を完了せずに離脱したユーザーの割合を指します。入力フォームまで誘導できたにも関わらず、入力完了する前に離脱してしまっては困りますよね。LPやブログ、最近人気の施策であるホワイトペーパー等、送信が完了しリード化することでようやく成功と言えるのです。離脱率を改善しリードを増やすためには、まず自社の離脱率を把握することが大切です。
フォーム離脱率を算出する方法
フォーム離脱率の計算方法は簡単で、
【フォーム離脱率=入力フォームからの離脱数÷フォームのページビュー数】
になります。
例えば、100回閲覧されたフォームページからの離脱数が80だった場合、【80÷100=0.8】、つまりフォーム離脱率は「80%」となります。フォームで入力を完了させるには、入力・確認・送信とそれぞれの画面を遷移していきます。各ページで離脱が発生するため、それらを合計した数で計算しましょう。この指標は、ユーザーエクスペリエンス(UX)の評価において非常に大切です。ちなみに平均のフォーム離脱率は80%と言われています。
フォーム離脱の原因
フォーム離脱の原因は多岐にわたりますが、主な理由を以下に挙げます。
フォームの長さ(項目の多さ)
長すぎるフォームはユーザーにとって負担となり、離脱の原因になります。必要最低限の項目に絞ることが重要です。入力する項目が増える度、ユーザーのモチベーションは低下すると意識しておきましょう。
ユーザビリティの問題
分かりにくいフォームや入力が難しい項目は、ユーザーのストレスを増加させ、離脱率を高めます。フォームのデザインやフィールドの配置にも配慮が必要です。
セキュリティへの不安
個人情報の入力に対する不安から、ユーザーが途中で離脱することがあります。SSL証明書の導入や、プライバシーポリシーの明示が効果的です。
技術的な問題
フォームの動作が遅い、エラーメッセージが分かりにくいなどの技術的な問題も、ユーザーの離脱を招きます。定期的なテストとメンテナンスが不可欠です。
誤ってたどり着いた
ユーザーが誤って入力フォームにたどり着いた場合には離脱する可能性が高くなります。CTAボタンが複数設置されてクリックしてしまったり、LPなどのコンテンツに多く見られるケースです。何度も起こるとユーザーに不信感を抱かせてしまう可能性もあるため、関係のない箇所に設置するのはやめましょう。
フォーム離脱率を下げる改善策
フォーム離脱率を改善するためには、ユーザーの視点に立ったアプローチが必須です。以下に具体的な改善策を紹介します。
EFO
EFOとは「Entry Form Optimization」の略称であり、日本語で「入力フォーム最適化」を意味します。
ユーザーが使いやすい入力フォームに改善することで離脱を起きにくくする手法です。フォーム離脱を防ぐ他、CVRを向上させるためにも重要です。Webからの問合せや資料のダウンロードを通じてお客様の情報を入力してもらうことが効果的であるからこそ、フォームの改善は成果につながるのです。
フォームの簡素化
フォームの入力項目や必須項目が多いと、ユーザーが面倒に感じ離脱してしまう可能性が高いです。そのため、不要なフィールドを削除し、必要最低限の情報のみを求めることで、ユーザーの負担を軽減します。後から追加情報を求めることも可能です。
また、長いフォームは、複数のステップごとに分割して表示することで、ユーザーの負担を減らすことができます。進捗バーを設置することで、ユーザーはどれだけ進んだかを視覚的に確認できます。ユーザーのモチベーションが高いような場合は、もう少し項目を追加してもよいでしょう。
ユーザビリティの向上
ユーザーが使いづらいと、当然離脱率に大きく影響します。入力ガイドを提供し、各フィールドに適切な説明を加え、入力内容が分かりやすいようにします。プレースホルダーやツールチップを活用することが有効です。
また、エラーメッセージは例えば「半角英数字で」「〇文字以内で」等、具体的かつ分かりやすく表示し、ユーザーが何を修正すれば良いかを明確に伝えます。リアルタイムのバリデーションを導入することも効果的です。
アクションボタンの改善
アクションボタンに表示させるメッセージは、ユーザーが得られるメリットについて記載することをおすすめします。フォームの入力を完了させた先に何が得られるのか、どんな体験ができるのか、分かりやすく簡潔に記載しましょう。そのためには、ユーザーのニーズを理解することも重要です。
セキュリティと信頼性の向上
フォームページにSSL証明書を導入し、ユーザーのデータが安全に送信されることを保証します。アドレスバーに表示される鍵アイコンが信頼感を高めます。
また、ユーザーに対して、収集した情報の使用目的やプライバシーポリシーページへのリンクと、「個人情報の取扱いに同意します」のチェックボックスを設置して明示することで、安心感を提供します。
技術的な最適化
フォームページの読み込み速度を最適化することで、ユーザーの離脱を防ぎます。画像の圧縮やキャッシュの利用、サーバーのパフォーマンス向上が効果的です。
スマートフォンなどモバイルデバイスでの利用を考慮し、モバイル対応したレスポンシブデザインを採用します。小さな画面でも操作しやすいフォーム設計が求められます。
自動入力の機能を追加
フォーム離脱を防ぐには、ユーザーの手間を減らして出来る限り自動で入力できる項目を増やしましょう。例えばよく見られるのは、郵便番号を入力するだけで自動的に住所が入力されたり、SNSのアカウントと連携することで、名前やメールアドレス、電話番号などの情報が自動入力できるものです。入力する時間が短縮でき、離脱率を下げやすくします。
わかりやすいフロー
入力する項目が多い場合は特に、フォーム内にあとどれくらいのフローが残っているのかを分かりやすく表示することで入力の完遂を促す効果が期待できます。フロー図を挿入するのも有効でしょう。
支払いフォームがある場合は、支払い方法や配送方法の選択、確認、完了など、今がどの段階なのかを示すことでよりわかりやすくなります。
フォーム離脱はフォームだけの問題では無いこともある
フォーム離脱率を改善しようとする場合に、フォームの最適化ばかりに意識が行きがちですが、フォームをどれだけ最適化してもフォーム離脱率が改善しないことがあります。
以下に、フォーム以外を改善してフォーム離脱率を改善する情報を記載いたします。
集客しているユーザー属性を提供しているサービスと合わせる
例えば、英会話スクールで「日付 英語」「英語 副詞一覧」などのキーワードで集客しても、そのキーワードで検索しているユーザーは英会話スクールを受講したいユーザーではありません。このような提供しているサービスと集客しているユーザーが合わないと、そもそも、フォームに到達しませんし、誤クリックや単にサイト内を見て回っていてお問合せページに到達したユーザーは必ず離脱しますので、離脱率はとても高くなってしまいます。
Search consoleのクエリの上位のキーワードを調べて、本来集客するべきユーザーが集客出来ていない場合は、キーワード戦略から見直ししましょう。
特に集客するキーワードはユーザーが切実に悩んでいるキーワードや、初歩的なことで悩んでいるキーワードで集客すると、コンバージョンに繋がり易くなります。
ユーザーに自社のサービスを選ぶメリットを明確に伝える
自社が提供しているサービスや商品がユーザーにとっていかにメリットがあるかを明確に伝えるようにしましょう。
商品やサービスの良さに納得しなければ、ユーザーがフォームを送信するアクションは起こしません。
ユーザーが商品やサービスに十分納得していれば、ユーザーはフォームで離脱しません。離脱が起こるのは、その商品やサービスを絶対に利用したいとは思っていないからです。つまり、商品やサービスの魅力が十分に伝わっていないからなのです。
一般的にホームページは表面的な浅い情報しか記載されておらず、営業マンがお客様に話ししているような詳細な内容は記載されていません。しかし、実際には、営業マンがお客様と話している内容の中に、お客様が一歩踏み込んで発注しようと思わせる言葉があるはずです。そのような言葉は漏らさず記載するようにしましょう。
SEOではコンテンツと言われていますが、コンテンツは検索エンジンからの流入を獲得することは出来ますが、コンテンツがそのままコンバージョンに繋がることは無いので、コンテンツからコンバージョンに繋がるコマーシャル(自社の強み)を記載したページが必要です。
フォーム離脱率の分析方法
フォーム離脱率を改善するためには、まず現在の離脱率を正確に把握することが重要です。以下に、フォーム離脱率の分析方法を紹介します。
アナリティクスツールの活用
Googleから無料で提供されているGoogleアナリティクスやHotjarなどのツールを使用して、フォームの使用状況を詳細に分析します。各フィールドの入力開始率や完了率、離脱率を確認し、問題点を特定します。
ヒートマップの導入
ヒートマップを使用して、ユーザーの行動を視覚的に分析します。どの部分でユーザーが躓いているか、どのフィールドで離脱しているかを把握することができます。
ユーザーテストの実施
実際のユーザーにフォームを使用してもらい、そのフィードバックを収集します。ユーザーテストを通じて、ユーザーの視点からの改善点を見つけることができます。
フォーム改善の注意点
入力フォームを実装する際や、フォームの運用、改善を行う時に注意したい点を紹介します。
必ずテストを行うこと
フォームを作成したら、自社のサイトへ反映する前に必ずテスト環境かで複数の人に実際に使用してもらいましょう。その上で、入力につまづいた箇所、使いにくいと感じた点などフィードバックし、見直しや調整を行います。できれば関係者以外の人にチェックしてもらうのが良いでしょう。
フォームの改善は継続すること
フォームの改善は一度だけでなく定期的に継続して行っていきましょう。訪問するユーザーが利用するデバイスやブラウザは年々変化するため、タップやクリックがしやすいようにフォントサイズを変更するなどの対応が必要です。
シンプルイズベスト
入力フォームはシンプルで見やすく理解しやすいことが最も重要な要素の一つです。
過度なデザインや装飾があると、ユーザーは「入力に時間がかかる」と感じ、離脱率を上げてしまう原因になりかねません。不要な情報は取り除いて、ひと目で理解できるようなフォームを作ることを心がけましょう。
まとめ
以上のように、フォーム離脱率の改善は、ユーザーエクスペリエンスの向上とコンバージョン率の向上に直結します。フォームの簡素化、ユーザビリティの向上、セキュリティの強化、技術的な最適化を実施することで、ユーザーがスムーズにフォームを完了できる環境を整えましょう。また、アナリティクスツールやヒートマップ、ユーザーテストを活用して、問題点を継続的に把握し、改善を続けることが重要です。
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清水 康次
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